小豚と美貌鹿

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不真正不作為犯 参考論証

 

不真正不作為犯はシャクティパッド事件(最判平17.7.4)を最重要判例として検討する重要論点です。

本記事では不真正不作為犯の思考の整理のため,参考程度の論証を示しておこうと思います。

 

不真正不作為犯 参考論証

1 本件甲の不作為の行為について殺人罪(刑法(以下,法令名省略)199条)が成立するか。

(1)まず,作為で規定された犯罪について,不作為による実行行為性を認めることができるか。

この点,実行行為とは犯罪の結果発生の現実的危険性を有する行為であるところ,不作為によってそのような行為を行うことは可能であるといえる。

従って,不作為による行為について実行行為性を認めることはできる。

(2)しかし,不真正不作為犯の成立要件は法律上明示されていない。そうだとすればその成立範囲を限定しないと処罰範囲が必要以上に拡大してしまい,刑法の自由保障機能を害する恐れがある。

よって,不真正不作為犯の処罰範囲を限定する必要がある。そしてその処罰範囲の限定にあたり,作為によって規定された犯罪につき不作為での犯罪成立を認めるのだから,当該不作為が作為による構成要件的結果の発生と同価値のものでなければ,不真正不作為犯の成立を認めるべきでない。

(3)具体的には,当該不作為について①作為義務が認められ,②その作為義務の遂行が可能かつ容易であることを要する。

ア ①について

作為義務の有無については法令・契約・先行行為・保護の引受け・排他的支配・社会的保護関係等の事情を総合して判断すべきである。

 

 

パターンとして必須で覚えておかなければならないのはとりあえずここまででしょう。

不作為犯については平成30年司法試験でも少し捻った問われ方で出題されていますから,しっかり押さえておくようにしましょう。

 

                                                                                                                            以上